石垣島には「○○鮮魚店」という魚屋さんがたくさんあります。
恐らく日本全国どこでも、美容室、歯医者は「こんなにたくさんあって供給過多だろ〜」って思うくらいあると思うんですが、ここ石垣島も同様で、それに加え沢山の「鮮魚店」があります。
先日新たにオープンする魚屋さんの看板デザインの仕事をいただきました。
色使いやフォントにも指定があって、オーソドックスなモノというオーダーだったので、奇をてらったことは何もしなかったんですが。
で、この看板の(デザイン面でなく)何がポイントか??
コレです。
「琉洋丸直送」
つまり「琉洋丸」で獲った魚を売る店だということ。
私の柔術の師匠は海人(コチラの言葉で漁師のこと)で生計を立てていて、他にも近い年代の海人の友達がいるのですが、彼らは魚を獲るとそのまま漁協に卸しに行きます。
それがどこかの卸し業者に買われて、(場合によってはさらに卸し業者が間に入って)それが今度はスーパーに売られて〜、というのがおおざっぱな流通の仕組みですが、今回ご依頼いただいた鮮魚店さんは、お父さんが獲ってきた魚を直接販売するために娘さんがオープンするお店ということです。
石垣島にたくさんある鮮魚店は、「ほとんど」がそういうお店だとの事。
しかし!
お父さんが引退してしまって、魚の供給源が経たれ、知り合いの別の海人から仕入れている鮮魚店もあるそうです。
その場合「○○丸直送」とは謳えないわけです。
それでもスーパーで売ってる魚よりは中間に入ってる人が断然少ないわけです。
同じ値段だったらどっちで買いますか?
農産物も同じですよね。
どこかで読んだんですが、例えばアフリカのケニアで採れたコーヒー豆。豆のまま1000円分買ったとしても、生産者の手元に入るお金は1円くらいだそうです。ちなみにフィリピンのバナナ1000円分買うと生産者の手元に入る金額は5円位。北海道の農家さんもおおよそそんなもんだそうです。
さらに飛躍すると、ウランとかレアメタルとか掘ってる人なんかはエンド価格の何%もらってるのか?とか考えると。。。しかもそれが紛争の元になって多くの人の命が失われているわけですから。
今の世の中そうやって何かの間に入って、悪い言い方すれば「中抜き」することで生計を立てている人が大半で、私自身もそれに近い仕事をしていると自覚してます。
まあ石垣島に来る前にやってた仕事(不動産屋)よりは、「何かを生み出す」感があるので、その点満足度は高いですが。
もちろんそれを流通させる事に価値があったり、さらに付加価値を付けたりと、そうそう単純な話ではないのも承知ですが、そうしたシステムが膨らみ過ぎて、余計なものが多過ぎることは間違いない、というのが個人的な考えです。
じゃあ全部生産者から買えとかみんな自給自足しろとかそういう極端な話ではなく、せっかく田舎に住んでるので、その辺意識して「一人一人が」の一人として、できる行動だけはしていきたいですね。
と、いうことで、野菜は「農家→農協→卸業者→スーパー」の「農協」の時点で抜かせてもらってます。「ゆらてぃく市場」で。